50周年記念コメント
[su_box title=”創設50周年を祝う・新たな前進を!” box_color=”#1f243b”]
東海相談学会会長 伊藤 義美
人間環境大学人間環境学研究科 教授
私たちの東海相談学会は、創設50年目を迎えることになりました。
この無上の喜びを会員の皆様と分かち合いたいと思います。
今日まで本学会の発展を支えていただいた関係者の皆様に深く感謝する次第です。
本学会は、半世紀前に総合的な相談学の確立を志した、学校教育、大学関係、医療、産業、福祉、矯正など様々な領域で相談活動にかかわる東海地区の先人たちによって創設されました。
創設と発展に尽力されながらすでに故人となられた方も少なくありません。
創設以後、毎年総会・研究発表大会及び講演会(年1回)、月例会(年4回)、研修会などの活動を続けてきています。
「五十にして天命を知る」といいますが、限界を自覚しながら、まだ取り組むべき課題は多々あると考えられます。
情報社会、少子高齢化社会が到来する中で、自然災害、原発問題、無差別テロ、地域紛争などは国際的に社会不安を募らせています。
身近では発達障害、不登校、いじめ・虐待問題、ネット問題、引きこもり、うつ病、認知症、過労死、自殺、ハラスメントなど子ども・若者をはじめ大人、高齢者を取り巻く問題は多様化・複雑化し深刻化するばかりです。
多元的アプローチをはじめグループアプローチ、システムアプローチ、コミュニティ・アプローチなど個々のクライアントさんと協働する関係性をもとに効果的な支援・援助の探求が求められます。
相談活動の実践研究の中にこそ、人を幸せにし、社会が往く道程を照射する『新・相談学』のかたちが立ち現れてくることでしょう。
本日の第50回大会では、総会、研究発表大会および特別講演が予定されています。
研究発表は、「相談学」に関する実践報告や研究が4題行われます。
日頃の実践活動に基づく研究発表から互いに学ぶことが多いと思われます。研究発表は大会の重要な柱であり、会員の貴重な研鑽の場ですので、今後も質量ともに維持・向上をはかりたいものです。
設立50周年を記念して行われる『東海相談学会の50年とこれから』(佐藤勝利理事)と『効果的な援助・治療について』(渡辺久雄理事)の特別講演も興味深いもので、大変楽しみにしています。
実効的な相談学の構築をめざして、相談活動を推進することが求められます。
会員のマンパワーと知恵(実践知・経験知・研究知の統合)を結集して、人を心豊かにし幸福にする『新・相談学』の探求と構築に邁進し、相談活動を通して地域貢献、社会貢献ができることを願っています。
50年を節目に、当学会の存在と活動をどのように地域や社会に発信していくか、また魅力ある学会づくりをいかにしていくかも課題のひとつだと考えられます。
本学会の趣旨にご賛同を得て、多くの方が会員になり、私たちと協働いただけるよう大いに期待しています。
本学会が創設50年目を迎え、ますます前進・発展することを祈念してやみません。
平成30年(2018年)3月4日
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東海相談学会会報 第51号
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